業界研究1 新薬開発とSMO 01 新薬開発の全体プロセス

医薬品の開発プロセスは、大まかに5つの段階にわけることができます。第一段階の「基礎研究」から市販 されるまでには、最低でも10年、多くはそれ以上の月日がかかります。SMO業界は、第三段階である「臨 床試験=治験」をサポートしていきます。

基礎研究
新しい医薬品の開発の第一歩は、医薬品としての 可能性のある候補物質を探すことから。何百何千 という候補物質の中からさまざまな試験を経て、 ほんの一握りの物質を探索します。
非(前)臨床試験
基礎研究の結果発見された医薬品としての可能性のある物質を、実際にマウス等動物に投与し、毒性や催奇形性、がん原性等の安全性試験を行います。人に使用しても安全で、疾病の治療に役立つと思われるものだけを選定します。
臨床試験(治験)

前臨床試験の結果、人に使用しても安全で、医薬品として有益だと想定されたものだけが初めて人に投与されます。この医薬品の安全性と有効性を確認するための試験を治験(臨床試験)といい、3段階にわけて行われます。

1、第T相試験(PhaseT)
初めて人に投与する試験。人における安全性を確認するための試験ですので、通常は健康な成人男性を対象として行われます。

2、第U相試験(PhaseU)
第T相試験で健康な人への安全性が確認されたら、薬効が期待される疾病の患者さんに投与し、新薬候補物質の用法・用量および有効性と安全性を検討します。

3、第V相試験(PhaseV)
第U相試験の結果を受けて、より多くの患者さんに投与します。治験薬の真の実力(有効性と安全性)、有益性を検討します。

承認審査
第V相試験が終了し、その治験成績が既存の医薬品よりも有益であると評価されたものを、新薬として厚生労働省に、製造・販売承認申請を行います。申請には基礎研究、前臨床試験成績、臨床試験(治験)成績をすべて添付する必要があります。
市販後調査
厚生労働省から製造・販売承認を得たものだけが新薬として市販され、医療の現場に提供されます。市販後も医薬品の有効性と安全性の確認のため調査や追加臨床試験が行われます。
02 臨床試験の実施体制

臨床試験(治験)は、厚生労働省が定めた基準(ルール)である「GCP(医薬品の臨床試験の実施基準 )」が遵守されている必要があります。GCPは、被験者の人権や安全が守られ、治験の質とデータの信頼性を確保することを目的としています。

治験を実際に行う医療機関(病院・クリニック)は通常の医療業務で非常に多忙であり、膨大な書類の準備やきめ細かなスケジューリングなど、治験に不可欠な業務を行うことが困難なケースが少なくありません。そこで医療機関がGCPを遵守しながら、治験が円滑に進むように支援するのがSMO(治験施設支援機関:Site Management Organization) なのです。

臨床試験のプロセス